プロフィール
はじめまして。田口要人です。
現在は産業医をしています。
会社で働く人が健やかに仕事ができるように支援するのが私の仕事です。自分の仕事で関わること以外のことを知りたくて、読書をしています。
これまでは、手当たり次第に気になった本を読んでいました。読書術の本などを読んでいるうちに、読み流すだけでは勿体ないと思うようになりました。というわけで、このブログでは日々の読書の記録をまとめていく予定です。
それほど熱心ではなかった読書
読書で記憶に残っているのは、小学6年生の時に『三国志』を上中下巻読破したことです。
ファミコンのゲームで、三国志にはまったのがきっかけでした。
とはいうものの高校生までの間は、テレビっ子でした。
大学受験で失敗して、2年間浪人します。
その間に、心理学系の本にはまっていました。
主に河合隼雄やユングの著作です。
特に影響を受けたのは『魂にメスはいらないーユング心理学講義』です。
もうタイトルだけでしびれました。
もし医学部に進めたら、心理療法を取り入れた内科に興味を持ち、
心療内科に進みたいなと考えるようになりました。
それが読書を通して、自分の中の何かが変わったと感じた最初の記憶です。
受験勉強をなんとか乗り切って、産業医科大学に入学しました。
初代学長の土屋健三郎著『産業医よ育てー働く人びとの健康を求めて』という本に出合って、
産業医という医者の存在を知ることにより背中を押されました。
そこには、次のような建学の精神が述べられていました。
「人間愛に徹し、生涯にわたって哲学する医師を養成する。
21世紀の医学分野における先駆者として、
人類のより良い生存を勝ちとるための新しい福祉社会を樹立する。」
なんか壮大ですよね。
開学から20年ほどの若い大学でしたが、
学長の熱い想いと志は胸に迫るものがありました。
正直を言うと産業医という医者のイメージはよくわかりませんでしたが、
新しい何かを作るという響きに魅力を感じました。
産業医の仕事と読書
産業医の仕事は、診断や治療とは少し異なるものです。
働く環境と働く人を上手にとりもつための調整を行います。働く環境を調べて、意見すること。病気やストレス、悩みを抱えながら働く人の声に耳を傾け、その人を支えていくこと。診断やお薬の処方が中心ではない点で、病院の医者とは異なる仕事になります。
もちろん職場では多くの人は元気に働いています。病気やストレスを抱えながら働く人もいるのです。そんな人たちを支えていると考えることがあります。
「働くということは、大変なことだ。ある程度の犠牲を払ったり、身を削るのは仕方のないことなのかな。でもそれは、間違っているんじゃないか。」
ワークライフバランスや働き方改革が叫ばれるのは、そういう問題意識をみんなが感じている証拠です。ただ漫然と今の社会の仕組みを受け入れて、そのひずみで困っている人を支えるだけでは駄目な気がするのです。でも、どうしたら良いかわからない。
このブログを作ったきっかけ
元号が変わると何か時代の空気が変わる気がします。平成最後の新年の朝に何か始めたいと考えました。
機械学習や自動運転など新しい技術の登場で、時代が大きく変わろうとしている今、。働く人の健康の問題も変わってきている気がします。
今だからこそもう一度、母校の建学の精神に立ち返ってみたい。新しい福祉社会を樹立するために、できることを始めたい。そのために読書をしたいと考え、ブログに記録を残すことにしました。
平成31年2月4日 立春